ダウン症のあるくらし

心配なことはありますか?

仕事を続けることはできますか?
できます。母親が仕事に戻ることが難しい時代もありましたが、社会の変化とともに状況は変わり、現在では多くの親が共働きをしています。これまでの職場にそのままの条件で復職する人、家族の環境にあわせて転職する人などさまざまですが、ダウン症のある子どもが生まれたことでキャリアを諦めることなく仕事を続けている人はたくさんいるのです。もちろん、退職を選択する人もいますが、仕事を辞めるのは、決して後ろ向きな選択というわけではありません。ご家族の状況や、自分の生き方などを鑑み、それぞれに最適な道を選択しているようです。
周囲の人に、説明すべきでしょうか?
隠す必要はないと思いますが、絶対に言うべき、というものでもありません。ただ、一緒に生活しているなど家族や近しい人、例えばきょうだいや祖父母などには、時期をみてきちんと話したほうがいいかもしれません。誰に説明するにしても、いつ、どんな風に伝えるか、というのは難しいと思いますが、時期がくれば、自然にそのタイミングがわかるようになるのかもしれません。なかには、出産した病院の遺伝カウンセラーに、きょうだいに伝えるのを手伝ってもらった人もいるようです。
寿命はどれくらいですか?
ダウン症のある人たちの平均寿命は20歳前後だと言われていたころもありますが、合併症の治療技術の進歩に伴い、今では50歳以上となっています。70歳以上で元気に生活している人もおり、今後も寿命は延びていくだろうと考えられています。
私に育てられるでしょうか?
心配しないでください。おむつを替えること、母乳やミルクをあげること、お風呂に入れること、汗をかいたら着替えさせること。そんな毎日を送っているうちに、子どもは育っていきます。一日、一週間、一ヶ月、半年、そして一年と、日々の生活を積み重ねているうちに、赤ちゃんとの生活に自信が持てるようになっていくのではないかと思います。それでもやはり自分には難しいと思ったら、児童相談所など公的機関に相談してみてください。人の手に委ねるという選択肢もあり、そのプロセスを手助けしてくれる人がいます。
公的支援は受けられますか?
公的支援は、生活上の困難さに応じて提供されます。たとえば、「愛の手帳」などの療育手帳は、知的障がいによって生活上の支援が必要と判断された場合にのみ発行され、ダウン症があるからという理由だけで受けることはできません。その他のサービスについても、それぞれ条件が異なります(参照:利用できる支援サービス)。なお、知的発達の遅れが判断できるのは2~3歳であるという理由で、療育手帳の申請は乳児期以降を勧められる自治体が多いようですが、申請時期は当事者に任されていますので、必要に応じて自治体窓口にご相談ください。