ダウン症のあるくらし

家族のくらし

家族のくらし

ダウン症のある赤ちゃんの誕生は、家族のくらしに変化を及ぼすでしょうか。もちろん、家族の一員が増えることによる変化はあるでしょう。また、それまで知らなかったこと、経験しなかった出来事に直面すること、そして一時的に先が見えないような感覚に陥ることもあるかもしれません。一方、ダウン症のある赤ちゃんが生まれたことで「世界が広がった」という人がたくさんいます。どんな世界が待っているのか、赤ちゃんとの新しいくらしを楽しみにしてください。

きょうだい

家族に関することのなかで、一番気になっているのは「きょうだい」のことではないでしょうか。ダウン症のある家族がいることで、きょうだいに負担をかるのではないか、つらい思いをさせることがないだろうか、そんな風に考えてしまうことがあるかもしれません。 きょうだいには、きょうだいにしかわからない気持ちがあります。プラスの気持ちも、マイナスに思えるような気持ちもあるでしょう。親として何ができるか、それはその時々によって変わってくるのかもしれません。 (参考図書:「シートベルトをしめて発進しよう!きょうだいにダウン症のある人のための短期集中コース」ブライアン・スコトコ & スーザン・レヴァイン著)

また、ダウン症のあるお子さんが最初のお子さんの場合、他に子どもを生むかどうかを迷うかもしれません。ダウン症やその他の障がいのあるなしにかかわらず、家族の形は家族の成長とともに変化します。ダウン症のあるお子さんのいる多くの家族が、時間の経過とともに、それぞれの家族にとっていい形へとむかっていくようです。きょうだいを持つかどうかについても、それぞれに最良の選択ができるはずです。

その先のこと

将来のくらしの心配もあるかもしれません。お金のこと、住む場所のこと、サポートしてくれる協力者のことなど、心配の種には事欠きません。 アメリカでは将来の計画について「同意書 Letter of intent」という書類に記すことを推奨している団体があります。また、日本でも、過去の記録を残し、今後の支援に生かすという目的で、「あんしんノート」や「生活支援ノート」といった名称の冊子に記録をつけることをすすめているところがあります。 また、意思決定に難しさがあるために何らかの不利益を被ることがないよう、親にかわって様々な法手続きの代行などをしてくれる「成年後見人制度」を利用することもできます。